キッチンカタログ

普段リフォームの仕事をしているので「キッチンのリフォームってどういう時にするの?」と知人によく尋ねられます。

普段は依頼された工事をしにお客様のところへ行きますので、正直リフォームのタイミングについて真正面から考えたことがあまりありませんでした…。

というわけで今回はキッチンリフォームのタイミングについて勝手に考えてみたいと思います。

キッチンリフォームのきっかけ

お客様のところへ現場調査にお伺いした際に、話の流れでキッチンをリフォームしたいと思ったきっかけについてお話しいただくことが多いのですが、だいたいこんな感じになります。

→ キャビネットの扉表面や開閉金具が傷んできたのでそろそろかなと…。
→ 中古物件を購入したが、もともと設置されていたキッチンが古いので…。
→ 古い単体(セクショナル)キッチンを新しいシステムキッチンにしたくて…。
→ 生活スタイルの変化によりビルトインの食洗器を設置したくて…。

というように、おそらく皆さんが想像していたような内容なのではないかと思います。

一般的には「傷み」や「古さ」、「汚れ」などが目立ってきた時がリフォームのタイミングとして多いです。

キッチンリフォームのタイミングってある?

工事業者側の立場からお話しすると、キッチンとは一種の「家具」と考える方がしっくりくる住宅設備ですので、極端に言えば本体キャビネットなどに関しては、使用の妨げになったり大きく美観を損なうような出来事がなければ「リフォームの時期」というものは「何年目で…」などと考えなくてもよいのかなと思います。

実際にもともとの本体キャビネットの品質や実際の使い方によって破損や損傷の発生時期は実に様々です。
20年程度でそろそろ…というお宅もあれば、40年近く大きな痛みもなく現役バリバリというお宅もあります。

ただ「コンロ」「レンジフード」「食洗器」「オーブン」などといった電気・ガスの調理機器に関してはメーカー側で大体10年程度が機器寿命の目安とされています。

とはいえ壊れてもいないのに10年ちょうどで交換される方も実際にはほとんどおられませんので、10年を過ぎたら「そろそろ交換が必要になるかも」という心の準備だけは必要なのかなと思います。

実際の感覚では電気機器やガス機器等の交換が必要になるのは大体15年くらいが平均的かなという感じですね。
もちろん20年程度はバリバリ使っておられるかたも多いですよ。

現在お使いのキッチンにサイズや使い勝手に不満があっても、電気機器・ガス機器の交換時期まで待って丸ごとキッチンリフォームをしようと考えられる方もおられますので、あえてタイミングというのであれば「機器交換の時期」が一つのタイミングになるのかもしれません。

できたらリフォームしてほしい事例とは?

基本的にはあえて時期を決めてキッチンリフォームをする必要はないと考えていますが、「こういう時はできればリフォームを考えてほしい」という事例があります。

それは「キッチンのワークトップ(カウンター天板)の高さがどうしても自分の体に合わないとき」です。

一般的には「(身長÷2)+5センチ」が最適に近い高さ寸法だといわれています。

ただ使う方や使い方によってもう少し違う寸法の方が良いと感じる方もおられますし、キッチンマットを敷いた時ややスリッパを履いた時などには感じ方も変わるでしょう。

例えばシンクで洗い物などをするときはワークトップ(カウンター)が低いと腰などに負担がかかりやすくなります。
作業場で包丁などを使う時もワークトップ(カウンター)が低すぎるとかがむ姿勢になるので同じですね。

逆にコンロで炒め物などをするときはワークトップ(カウンター)が高いと腕が使いにくく負担になってしまいます。
玉ねぎを切る時もワークトップ(カウンター)が高すぎると、目の位置が近くなるので不利かもしれません(笑)

キッチンは毎日使うものですので、自分の体に合っていないワークトップ(カウンター)高さのままでは自覚のないまま体に負担が蓄積されてしまいます。

すでに自覚症状が出てしまっている方やワークトップ(カウンター)の高さに違和感を感じておられる方は、ひょっとすると体に合うキッチンにリフォームするだけで、体の不調や悩みが解消されるかもしれません。
(私自身がまさにそうでした)

ワークトップ(カウンター)が高い場合だと、厚めのキッチンマットやスリッパなどで少しは調整していけるんでしょうけど、特にワークトップ(カウンター)が低いキッチンはホントにどうしようもないです。

大体のキッチンメーカーで「5㎝刻み」または「2.5cm刻み」でワークトップ(カウンター)の高さを選択できますので、実際にショールームで「シンク」「コンロ」「作業場」の全ての前に立って、実際に作業をしているイメージで体を動かしながら、最適な高さを確認してみてくださいね。

まとめ

キッチンは生活するうえで毎日使うものですので、各キッチンメーカーもそれに耐えうる商品を販売しています。

ですので基本的には「老朽化したら機器交換や全体のリフォームをする」という流れで良いように思っています。

ただしいくら便利な機能を付与しても「体に合わない」などの構造的な問題は、キッチンそのものを交換することでしか解決できませんので、そういう場合は体への負担が蓄積する前にリフォームされることをぜひおススメします。