単体キッチン

みなさんは「システムキッチン」とか「単体(セクショナル)キッチン」とかいった単語を目にしたことはありませんか?

どのお家にもあるキッチンですが、実は構造により呼び方が違ったりするんです。

ただ一般の方にはどれがシステムキッチンでどれが単体(セクショナル)キッチンなのかが非常にわかりづらいです。

今回は知らなくてもあまり困らないけど知っていても損はない、両方の違いについてざっくりと解説します。

システムキッチンとは?

システムキッチンの特徴

システムキッチンと呼ばれるタイプのキッチンは下記のような特徴があります。

  • 天板カウンターがシンク側からコンロ側まで一体となっている
  • キッチンレイアウトが豊富
  • 扉やキャビネット、天板カウンターなどの色柄が豊富
  • 給水給湯の水栓がカウンター上に設置されている
  • コンロが天板カウンターにビルトインされている
  • 食洗器のビルトイン化ができる
  • キャビネットやカウンターのサイズにある程度の自由度がある
  • 壁にビス固定で設置するため設置後の位置移動ができない
  • 壁固定により大きなサイズのスライド収納が実現できる
システムキッチン 例

システムキッチンのメリット・デメリット

システムキッチンの大きなメリットとしてはやはり構造上からくるお掃除のしやすさでしょうか?

カウンター天板が一体化しているためゴミや汚れの処理が単体(セクショナル)キッチンと比べても圧倒的に手間いらずです!

コンロや食洗器などの設備機器がビルトイン化されることも掃除のしやすさに一役買っています。

お掃除がしやすいということはキッチンを清潔に保つことができるということにつながります。

他にもサイズやレイアウトの自由度があったり、色柄が豊富だったり、スライド収納で家事の省力化ができたりするなど、余りあるメリットのおかげで近年の住宅ではシステムキッチンが主流となっています。

あえてデメリットを探すとすれば、単体(セクショナル)キッチンのように部分的な交換ができないところでしょうか?
天板カウンターが一体のため例えば「コンロキャビネットだけ交換」といったようなことはシステムキッチンではできません。

まあ天板カウンターやキャビネット、扉などは比較的耐久性の高い材料が使われていますし、コンロ、レンジフード、食洗器などはいずれ交換が必要にはなるものの、サイズや設置方法が規格化・ユニット化され、比較的容易に交換できるため、デメリットは解消されつつあります。
 

単体(セクショナル)キッチンとは?

単体(セクショナル)キッチンの特徴

単体(セクショナル)キッチンと呼ばれるタイプのキッチンは下記のような特徴があります。

  • シンク台、コンロ台の基本キャビネットの組み合わせで構成される(調理台もある)
  • 天板カウンターはそれぞれのキャビネットに備えられているため高さは揃うものの一体モノではない
  • レイアウトはI型、L型のみが基本(無理すれば色々できるかも)
  • 天板カウンターは基本ステンレスで、扉やキャビネットの色柄も大体2~3種類
  • 給水給湯水栓は基本的にキッチン前の壁面に設置されている
  • コンロは据え置き型のいわゆるガステーブルを設置することになりビルトイン化できない(できるものもある)
  • 各キャビネットサイズは間口と高さがそれぞれ規格化されていて一定
  • 大雑把にいえば「置くだけ」で設置完了
  • キャビネットを壁にビス固定しないため大きなスライド収納が設定できない
単体キッチン
単体(セクショナル)キッチン 例

単体(セクショナル)キッチンのメリット・デメリット

単体(セクショナル)キッチンのデメリットはやはり清掃性ですかね。

特にコンロ廻りはどうしても隙間が多いので、鍋から飛び出た食材や油などの掃除が結構大変です。
(焼飯へのアツい風評被害…)

最近ではビルトイン化できるコンロ台も出てきてますのでそのあたりは解消しつつありますが…

開き戸収納だけだと収納方法に一工夫必要ですし、色柄などをたくさんの選択肢から選べないのも残念なポイントかもしれません。

レイアウトも単調だしサイズも自由度が低い。

と、これだけ味噌カスにデメリットを書き連ねましたが、大きなメリットもいくつかあります!

●最小間口
単体(セクショナル)キッチンは間口サイズがシステムキッチンより小さいものが存在します。
多くが間口1800㎜スタートのシステムキッチンとは違い、最小1600㎜(クリナップ)の間口にコンロ台とシンク台を組み合わせて設置できます。

間口最小キッチンといえば1200㎜からの「ミニキッチン」がありますが一般的な住宅では使いづらいので、よりコンパクトを目指すなら単体(セクショナル)キッチンを選ぶことになります。

●部分交換が可能
コンロ台、シンク台、作業台等と別々のキャビネットになっているため、それぞれのキャビネットごとでの部分的な交換が可能です。

単体(セクショナル)キッチンの扉柄はシンプルかつロングセラーのものが多いため、うまくマッチすれば違和感なく交換ができると思います。

●価格と施工性
単体(セクショナル)キッチンは本体価格が安いことに加え、基本的には組立工程がほとんどなく、ほぼ置くだけなので施工費も削減できます。

ただキッチン本体以外の「水栓(配管)」「ガスコック(配管)」や「レンジフード(壁開口とも)」の工事は別途必要です。
 

まとめ

キッチンは単体(セクショナル)キッチンからシステムキッチンに変化してきた歴史があり、今ではその便利さや自由度の高さから一般住宅にはシステムキッチンというのがもはや常識のようになってきています。

ただ本格的な調理を想定しない「事務所」「工場」「給湯室」「店舗スタッフルーム」「バックヤード」などや、設備コストを抑えるために「賃貸物件」などでの利用に限れば、まだまだ単体(セクショナル)キッチンも現役バリバリで活躍しています。

両方のキッチンが並行して市場で販売されているため一般の方にはわかりにくいかもしれませんが、このような違いがあることは知っておいてほしいところかなと思います。

ちなみに単体(セクショナル)キッチンからシステムキッチンへリフォームする場合あるいはその逆のケースは、キッチンのタイプが違い構造や付属設備が違いますので、どれだけ頑張っても「壁付給水給湯配管及び排水配管の移設」「ガス配管の移設」が最低限必要となってきます。

同じタイプ同士の交換工事なら場合によっては運よく省ける工事もあるんですけど、違うタイプへの変更はそれなりの作業が必要になることもあわせて知っておいてほしいところではあります。