
こちらもシステムキッチンのプランを作成するときによく聞かれる内容ですね。
キッチン天板(ワークトップ)も両方選択できますが、それと別にシンクに関してもプラン選択ができます。
「じゃあシンクはステンレスと人工(人造)大理石のどっちがいいの!?」
これはこれで選ぶ立場になれば、非常に悩むことの多い由々しき問題ではあります。
なのでステンレスシンクと人工(人造)大理石のシンクについて特徴などをざっと見ていきましょう。
ステンレスシンクの特徴
「ステンレスシンク」とはシンク部分がステンレスで作られたシンクです。
昔馴染みの材料なので、目にしたことがない人はいないと思いますね。
ステンレス天板(ワークトップ)と一体化したステンレスシンクや、天板(ワークトップ)が人工(人造)大理石でシンクのみステンレスというチョイスもできます。
ステンレスシンクのメリットはズバリ「使い勝手」ですね。
まずステンレスは耐久性、耐熱性、耐食性が圧倒的に高いことが挙げられます。
多くの業務用シンクがステンレスであることからその信頼と実績がうかがえます。
毎日キッチンでガシガシ調理をする方に向いているように思いますね。
またステンレスは硬いと思われる方が多いのですが、薄いステンレス板をプレス成型して製作されますので意外と弾性があります。
シンクで洗い物中に手が滑ってコップや食器を落としてしまうなんて経験をされた方も多いかとは思いますが、その弾性のおかげでコップや食器が割れにくかったりします。
漂白剤で付け置き洗いをするのにシンクに水やお湯を張って…というケースもあるかもしれませんが、ステンレスシンクなら汚れ具合や薬品の種類をあまり選ばないため遠慮せずに使えます。
ステンレスシンクの最大のデメリットは「傷の入りやすさ」ですかね。
お茶碗や湯呑の底を引きずったりなんかすると一発で傷が入ってしまいます。
ただ最近のステンレスシンクはエンボス加工やバイブレーション加工といわれる傷が目立ちにくい加工がされていますので、昔ほどは気にならないようにはなっています。
まあ全体的に傷だらけになって味わいが出てくるのもステンレスシンクの特徴の一つであり、「家事を頑張っている証拠」ということでポジティブにとらえている方も多いですね。
「流水の当たる音がうるさい」という面もかつてはデメリットとして挙げられていましたが、最近ではステンレスシンクの裏側に木材やゴムなどの静音部材が貼り付けられてかなり静音化されているものが多いです。
あとは「デザイン性のバリエーションが少ない」というところですかね。
ステンレスシンクの表面仕上げに種類はいくつかあるものの、基本的に色はシルバー1色です。
人工(人造)大理石のように複数柄のバリエーションという品ぞろえではないので、デメリットというほどではないにしても部屋全体のテイストに合わないケースもあるかもしれません。
人工(人造)大理石シンクの特徴
「人工(人造)大理石シンク」とはシンク部分が人工大理石で作られたシンクです。
人工(人造)大理石シンクの最大のメリットはズバリ「デザイン性」ですね。
複数を色柄から選択できることが多く、部屋のテイストによってはステンレスより人工(人造)大理石の方がコーディネートしやすいということが多いかもしれませんね。
また硬度が高いため流水音がしにくく、ステンレスほど傷や水垢も目立ちません。
傷や汚れも表面的なものであれば研磨することも可能です。
人工(人造)大理石シンクのデメリットは「シミや黄ばみが付いてしまう」「ステンレスと比べ耐熱性に劣る」「食器を落とすと食器が割れやすい」「強酸やアルカリに弱い」とそこそこ多いです。
ステンレスシンクを利用されていた方が人工(人造)大理石シンクにリフォームされる際には必ずそういった注意点についてお知らせはするのですが、案外皆さん使い方に慣れてくると気にならないとおっしゃる方が多いですね。
各メーカーもそれを認識していてそれぞれ商品開発を行っており、昔ほどデメリットが目立ちにくくはなってきてはいますが、そもそもステンレスとは素材そのものの性質が違うため、それぞれの優位性が逆転することはないと思われます。
まとめ
人工(人造)大理石と比べ使い勝手がいいのにコストが安いため、個人的にはまずはステンレスシンクからおススメすることが多いですね。
昔はシンクとカウンターを別素材で選択すると水漏れしたり汚れ溜まりになったりという時代もありましたが、最近ではそういった接続部の処理も工夫されており深刻な問題になることはないと考えていただいてよいでしょう。
システムキッチンを生活していく上での道具として考えると、使い勝手を優先して検討するのは当然のように思います。
ですのでキッチンカウンター(ワークトップ)を人工(人造)大理石、シンクをステンレスという内容をベースとしてプランをスタートすることが多いです。
ただ実際は人工(人造)大理石シンクを選ばれる方も多いため、最終的にはお好みの問題というところになるでしょうね。
要はそれぞれの素材の特徴を知ったうえで使い方さえ間違えなければ問題ないですし、実際はそれほど大きな差はないと思ってもらってよいと思います。
そもそも比較をするから差が生まれる訳なので…