キッチンパネル

地味だけど必要な存在。それがキッチンパネル。

地味だけどかなり役に立つ。それがキッチンパネル。

今回はそんなキッチンパネルについて紹介していきます。

キッチンパネルとは

昔の(昭和の?)キッチンはシンクやコンロの廻りは基本的にタイルが貼られていました。
理由としては「水気の防止」「火災の防止」「汚れ防止」が目的です。

ただ「目地にカビが生えやすい」「コンロ使用直後のタイルが熱くてやけどしそう」「目地が汚れる」「衝撃で割れる」という理由から徐々にタイルを貼ることが少なくなってきました。

その代わりに登場したのがキッチンパネルというわけです。
というかむしろキッチンパネルの登場によってタイルが駆逐された感があります。

キッチンパネルは一般的に厚み2~6㎜程度の平板で、キッチン廻りに必要とされる「清掃性」「不燃性」「防汚性」「耐傷性」「耐衝撃性」の全てを兼ね備えた硬質の新建材の総称です。

近年ではキッチン周辺の壁に隙間なく貼ることで清掃性や防汚性を向上させることに一役買っています。

シンク廻りで必要になる耐水性から、コンロ廻りで必要になる不燃性も持ち合わせているため、一体的に壁を仕上げることができスッキリとした印象になるわけですね。

基本的には白系がベースの色ですが、各キッチンメーカーで様々な柄を用いたパネルを用意してあり、システムキッチンとともにコーディネートできるような設定になっています。

キッチンパネルの選び方

各メーカーの各キッチンにオプション扱いとしてラインアップされていますので、基本的にはその中からお選びいただくのが良いと思います。

ほとんどのメーカーで自社キッチンのレイアウトに最適化したサイズラインアップになっており、できるだけジョイント部を減らせるように工夫してあるため、材料に無駄がないばかりか仕上がりがスッキリしていて見た目がキマります。

ただどうしてもメーカーオプション以外のキッチンパネルを貼りたい場合は、別途他の建材メーカーのパネルを選んで施工することもできるといえばできます。

例えばメラミン化粧板等を製造しているメーカーでも代表的なアイカ工業株式会社の「セラール」などは、木目柄や石目柄なども豊富に揃っており、店舗の厨房などで使われるケースもあります。

またよく「磁石の付くパネルを…」というお問い合わせをいただくのですが、今思いつく限りでは「タカラスタンダード」「クリナップ」「JFE建材」「sanwa company」「永大産業」位しか取扱いしていないようです。

「タカラスタンダード」「クリナップ」はキッチンパネルのみの販売はしていないため、採用する際はキッチン本体も必然的に「タカラスタンダード」や「クリナップ」となります。

そのほかのメーカーは色の種類が少なかったり、サイズバリエーションが少なくジョイント部が多くなってしまったり、通常オプションのパネルより金額が高くなってしまったりという状況が起こりえますのでご注意くださいね。

キッチンパネルの施工方法

キッチンパネルはシステムキッチン本体の据付前に壁に貼られます。

新築の場合は石膏ボード等の上から、リフォームの場合は石膏ボードや既存タイルの上へ、ボンドと両面テープで見えがかりのみ施工されます。

キッチンパネルはクロスなどと比べて高価なので、キッチン本体に隠れてしまうところまでは貼りません。

あとはキッチン本体や吊戸棚を設置して取り合い部分をコーキングして完成となります。

このようにキッチンパネルはシステムキッチンの組立の中でも一番初めに施工されるんですね。

キッチンパネルの清掃

キッチンパネルの表面はツルツルしているものがほとんどですので、基本的には「使った後にすぐ拭き掃除」がベストです。

普段は湯水や中性洗剤を含ませた水拭き程度で汚れが落ちるので、習慣にしてしまうと「こびりついて大変!」ということはかなり少なくなります。

油汚れが多い場合はスプレータイプの住宅用洗剤等で十分です。

こびりついた汚れは台所用中性洗剤をつけたスポンジでこするか、ペーパータオルに台所用中性洗剤をしみこませて貼り付けてみましょう。

水垢が付いてしまった時などはクエン酸水をスプレーして濡れ雑巾で拭いてください。

入隅部やジョイント部が汚れたら古い歯ブラシ等を使うとラクです。

上記のいずれも最後に乾いたタオルでからぶきしてあげるとツルツルピカピカがキープできますよ。

パネルがステンレス材やアルミ材の場合はそれぞれの材質にあった掃除が必要になりますので、パネル素材はできればメラミン化粧板かホーロー板を選んでおくと薬品に侵されにくいため手軽に掃除ができて便利です。

ちなみにマグネットが付くホーローパネルなどの場合は、マグネットを一度全て取って掃除をすることになります。
壁付による利便性と清掃性とのトレードオフになりますので、その点は要検討ですかね。

まとめ

システムキッチンでは本体が主役、キッチンパネルは重要な脇役という立ち位置で、全体のデザインバランスが取られています。

そのためメーカーのパネルオプションも、それほどド派手なものはあまりありません。

しかしながら現代のシステムキッチンにおいてキッチンパネルが果たしている役割は非常に大きく、手間のかからなさから、普段の生活における生産性の向上に大いに役立っているといってもよいかと思います。

「もうキッチンパネルなしでは生きていけないっ!」

そういってもらえると地味なキッチンパネルたちもたいそう喜ぶかと思います。