
「そもそもシステムキッチンってどうやって選ぶの?」
こんな基本的なことを記事にすることを忘れていました。
基本的にシステムキッチンを選ぶ際は「ショールームへ行って実物を見てみる」「カタログから必要なオプションなどを選ぶ」という過程を経て、自分にピッタリのシステムキッチンを組み上げていくことになります。
段取り的にはいきなりショールームに行ってもよいのですが、案内してくれるスタッフさんの人数や時間の限りもあり、全ての商品やオプションを隅々まで納得いくまで見ることが難しいことも多いです。
そこでまずはシステムキッチンメーカーのカタログを入手し、事前に大枠を決めておくことが必要になります。
レイアウトだったり、必要なオプションだったり、表面材の色柄だったりを、なんとなくぼんやりとでもいいです。
そうすればショールームで過ごす時間も効率よく使うことができますよね。
ここではまず第一段階となるシステムキッチンのカタログの見方の要点をお伝えしたいと思います。
システムキッチンカタログの入手方法
既に新築やリフォームの業者さんが決まっている場合は工事業者さんに頼めばカタログの入手は可能です。
「まだ工事業者が決まっていないわ」「割とふんわりした検討段階なの」という方は、各システムキッチンメーカーのホームページからカタログなどの資料請求が可能ですので取り寄せてみてください。
システムキッチンは各機器やレイアウト、キャビネットの組み合わせなどによって必要部材が都度変わるため、ご自身で最終的なプラン価格をキチンとはじき出すことはかなり困難だと思います。
実は我々のような工事業者でも最終の確定プラン価格はキッチンメーカーに算出をお願いしています。
それくらいややこしいです…
なので同じメーカーでも違うシリーズのものを一緒に取り寄せておくとよいかもしれません。
そうすれば似たようなプランでもシリーズを変えることで予算に対して柔軟性が増します。
またキッチンメーカーによってそれぞれ特徴があったりしますが、各キッチンメーカーのかなり大まかな特徴については過去の記事もあわせてみてみてください。
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システムキッチンカタログの構成
システムキッチンメーカーにより掲載内容の順番などが違いますが、概ね下記のような内容になっていることが多いです。
●全体イメージ写真
各システムキッチンのデザインイメージや特徴等がわかりやすいイメージ写真が掲載されています。
●各部イメージ写真
各部機能の特徴がわかりやすいイメージ写真が掲載されています。
●レイアウトプラン
各システムキッチンのシリーズで選択できるレイアウトや間口、高さなどを選択できます。ここで大まかな基本パッケージの価格が記載されているカタログが多いです。
●各部カラーの選択
キッチンキャビネット表面材、カウンター、キッチンパネル等のカラーを選べます。選択するキッチンキャビネット等の色柄によってトータルの価格が変わるメーカーがほとんどです。
●各機能部・機器部の選択
カウンターの種類から水栓、コンロ等の機器を選べます。選択する機能・機器により価格が変わっていきます。
●別途オプション・周辺収納の選択
他に独自のオプションやキッチンボード等周辺キャビネットなどを追加する場合に選択します。
なお高価なシステムキッチンやレイアウトが豊富なシステムキッチンでは、本体カタログとは別にキャビネット仕様や価格表等が記載された「資料集」というカタログも存在します。
ですが、一般ユーザーさんには頭が痛くなるかもしれない資料なので基本的に資料集は取り寄せ不要だと思います。
システムキッチンカタログの実際の使い方
システムキッチンはメーカーやシリーズにより選択肢が非常に多いため、下記のような順で絞り込み選び出していくことになります。
1.間口サイズ、レイアウトの確認
I型、L型といった基本的なレイアウトならほどんどのシステムキッチンで実現可能ですが、廉価なシステムキッチンでは対面型やアイランド型などのレイアウトラインアップが用意されていないシリーズが存在します。
まずは希望のレイアウトと間口サイズが実現できるシステムキッチンを探すところからスタートしてください。
2.特に希望する機能の確認
特に希望する機能がある場合はそちらを優先的に確認しましょう。
例えば3連横並びのコンロは現時点でパナソニックしか選択できませんし、ホーローのキッチンパネルを希望する場合は基本的にタカラスタンダードを選択することになります。
各システムキッチンメーカーで横並びの機能や特徴も多いですが、特にこだわりたいポイントがあるならそちらを優先してみていくと自然とメーカーやシリーズが絞れてくるケースもあります。
3.フロアキャビネット仕様の確認
最近ではスライド収納が主流となってきたため、多くのシステムキッチンで標準仕様がスライド収納になってきています。
ですのでもし開き戸が必要な場合は、その選択肢があるかどうかの確認が必要です。
4.各機能・機器・色などの確認
上記1~3までの選択が終えていれば、メーカーやシリーズの絞り込みがある程度できているかと思いますので、その中から希望する各機能や機器を選択していくことになります。
「カウンター」「シンク」「コンロ」「水栓」「浄水器」「食器洗い乾燥機」「レンジフード」「ウォールキャビネット(吊戸棚)」など多岐にわたります。
カップボードやカウンターなど周辺機器が必要な場合はあわせて選択していきます。
ちなみにシステムキッチンと合わせて用意されているカップボードなどの周辺機器は、お手軽な別売家具と比べると比較的値が張るものの、作りがしっかりしておりシステムキッチンとの柄やデザインの統一感が演出できるというメリットがあります。
またシステムキッチンのオプションキャビネットは基本的にビス等で壁に固定するタイプも多いので、地震の際の転倒なども起こりにくいと言えます。
ただし模様替えはおそらくできませんが…
コンロやレンジフードに関しては現状インプラや設置場所等との取り合いなどが絡んできますので、施工業者さんに最終確認を依頼する必要がありますが、検討段階では暫定的な選び方でよいと思います。
システムキッチンの色柄については機能面を優先するとメーカーやシリーズが絞り込まれてくるため、どうしても後回しで選択することになってしまいがちです。
レイアウト等にもよりますが特に機能的にこだわりがなければ、逆に各メーカーやシリーズの好きな色柄から選んでいってもよいかもしれません。
5.最終確認
ざっくりでも上記1~4までの過程を終えていればいつショールームに行っても大丈夫です!
それまでに施工業者さんが決まっているようなら、ぜひ施工業者の担当者さんに予約を入れてもらって一緒にショールームへ行ってください。
ショールームのスタッフさんはあなたの家の状況をわからずに商品説明をされることを迫られるため、家の状況を確認できている施工業者さんと話をすることでスムーズに解決することが多くあります。
ごくまれに家の状況により選択したプランで施工ができないケースもあったりします。
基本的には施工業者さんの意見が主となるため必ずショールームに行く必要があるかというとそういうわけではないのですが、カタログでみた商品の確認などでショールームを活用されることをできればおススメします。
まとめ
システムキッチンのカタログを見ているときに特に感じるのですが、イメージ先行の掲載内容で全体把握がなかなかしづらいというように思う時がよくあります。
これは女性が主体で見ることが多いと想定されていることと、キッチンプランを作成するにあたり商品自体にある程度の自由度があり選択肢が全て掲載しきれないということからくるものではないかと思っています。
例えばフロアキャビネット一つをとっても、「シンクキャビネット」「コンロキャビネット」「ベースキャビネット」と大まかなモジュールは存在しますが、機器の組み合わせ次第で様々に変化するため、パッと見で「あなたはいったいドコキャビネット?」というようなプランが出てくることもあったりします。
ですので私どもではシステムキッチンのプランを検討する際はメーカーショールームの活用をおススメしていますが、その事前準備としてのシステムキッチンカタログの活用が大切なんだと考えています。
「カタログで予習をしてショールームで確認し、最終仕様へ落とし込んでいく。」
システムキッチンを選ぶときにはこの流れが最も確実で効率的かつ効果的だと思いますよ。