LIXILレイアウト

キッチンのレイアウトやスタイルについて様々な呼び方があるので、そろそろここで少しまとめておきたいと思います。

レイアウトやスタイルとは「形状」「置き場所」とか「置き方」と言い換えてもいいと思いますが、打ち合わせの時に様々な呼び方が飛び交ってわかりにくいと感じる方もおられるかもしれません。

キッチンメーカーによっても少しずつ違ったり、工事業者によってもこれまた少しずつ違ったりします。
私自身も勢い余って時々怪しい時があります…。

「これってL型?U型?」とか「これってI型?Ⅱ型?」と疑問に感じることが多いかもしれませんが、少し違っていてもあまり厳格に思い悩む必要はありません。

最近のシステムキッチンはとても自由度が高く、戸建に限っていえば、まるでたんすやソファを置くような感じで本気?を出せばどこにでもおけると思います。

なので特に最近は呼称、呼び方自体の定義づけが難しくなってきているように感じますね。

業界的に「必ずこう呼んでください!」というものはないんですが、改めて調べてみたのも含めて「だいたいこう呼んでいます」というところでまとめてみたいと思います。

LIXILさんのカタログの挿絵が比較的わかりやすかったので、少しお借りしてそれらと共に見ていきましょう。

キッチンの設置方法(スタイル)

キッチンのスタイルとも呼ばれますが「置き場所」とか「置き方」という方がわかりやすいかもしれません。

空間全体の概念としての呼称の意味合いが強く、設計士さん、デザイナーさん、コーディネーターさんはこの方面からの呼び方スタートが多いでしょうか。

●壁付型
キッチンキャビネットの全ての背面を壁に向けて設置する設置方法です。

どのレイアウトも壁付型があります。

 

●対面型(ペニンシュラ型)
キッチンキャビネットの背面の一部をダイニングやリビング等に向け、キッチンの端が壁に接する形の設置方法です。

基本的に半島のように見えることからペニンシュラ型と呼ばれてもいるようですが、ペニンシュラ型の場合はほぼ対面型になり、お客様にも対面型といった方が通じやすいのでウチはこの呼び方でやってます。

「対面型でオープンキッチン」という状態がペニンシュラ型と呼ばれることも多いようです。

どこか一面がリビング等に向いていれば対面型と呼んでいいと思います。
造作壁がない対面型はオープン型、またはそれら含めてペニンシュラ型と呼ばれます。

 

●アイランド型
構成するキッチンキャビネットのどれかが、どの壁にも接しない状態で設置する設置方法です。

基本的に何かのキャビネットがダイニングやリビング側を向いて設置しますので、対面しないアイランド型はないと思ってください。

またアイランド型は壁に接しない特性から、自動的にオープン型キッチンとなります。

それぞれのレイアウトで壁に接しないキャビネットがある場合はアイランド型と呼ばれます。

 

なお「オープン型」とか「セミオープン型」、「独立(クローズ)型」などという言葉も見かけますが、ダイニング等とキッチンが一体化した設置方法を「オープン型」、開口部の大きな壁などで緩やかに仕切られているキッチンを「セミオープン型」という言い方で呼ばれています。

「独立(クローズ)型」は文字通り通路以外の開口部がダイニングに面していない状態の言い方です。

こちらもキッチンの空間概念によるタイプ分けですよね。
キッチンの中が外からどれだけ見えるか?というふんわりした感じでご理解いただければよいと思います。

「オープン対面キッチン」というように呼称を合体させて使われることも多いです。

キッチンのレイアウト

キッチンキャビネットの配置レイアウトです。

システムキッチンメーカーがキャビネットのレイアウトを分類する際にその形状から「○型」と呼ぶため、基本的にワークトップ(カウンター)を上から見た形状がそのまま呼称になっています。

●I型(あいがた)
シンクとコンロが一列に並んでいる状態のレイアウトです。
アルファベットの「I」からその名称がついています。

●L型
シンクとコンロの配置がL字型に配置されている状態のレイアウトです。

●Ⅱ型(にがた)Ⅱ列型 (平行)
シンクとコンロがそれぞれ向かい合わせのワークトップ(カウンター)に設置されているレイアウトです。
シンクとコンロが違うワークトップに設置されるためその場合「セパレート型」とも呼ばれます。

昔は「並行キッチン」などと呼ぶ方も多かったのですが、最近ではあまり聞きませんね。

シンクとコンロが一列に並んでおり、向かい合わせにカウンター収納等が配置されているレイアウトの場合も、キャビネットがⅡ列のためⅡ型に分類されることが多いようです。

●U型
シンク、作業スペース、コンロがそれぞれ別の向きに設置されるレイアウトです。

L型+カウンター収納の状態を「U型」と呼ぶ場合もありますし、「L型+収納」と呼ぶ場合もあります。

そもそもシステムキッチンのキャビネットレイアウトのベースはI型とL型からなり、その発展型として対面用I型、Ⅱ型、セパレート型、U型などと増えていった形となります。

上の挿絵は「壁付型」のものですが、他のスタイルでもそれぞれのレイアウトが存在します。

呼称の重複と認識の相違

キッチンのスタイルとレイアウトについてそれぞれの呼称を見てきました。

当然スタイルとレイアウトでそれぞれ呼び方の用途が違いますので、それぞれ合致する呼称を合体して使うことが多くなります。

例えば「対面Ⅱ型オープンキッチン」だとか「壁付I型独立(クローズ)キッチン」などという感じの呼び方になるでしょうか?

言葉だけで表現するとそうなりますが、そもそも呼称についてお互いの共通認識が正確に確立できていませんので、実際の打ち合わせでは図面などで説明したり、スケッチでイメージを伝えたりというやり取りになることが多いですね。

システムキッチンのカタログを見ていても「これってⅡ型じゃなくI型なんだ」とか「これって対面(ペニンシュラ)じゃなく壁付なの?」と思われることも多いかもしれません。

各キッチンメーカーの呼称・表記にもそれぞれ多少の”揺らぎ”が見られますが、根本的な概念は同じです。

上記のスタイルとレイアウトによる呼び方の違いの根本をご理解いただければ、なんとなくその違いも分かっていただけるのかもしれません。

あなたはきっと間違っていませんので。

まとめ

だいたいこんな感じでまとまりましたでしょうか?
色々な場所で少しずつ呼称が違うこともありますが、おおまかな概念をご理解いただいていれば大丈夫かなと思います。

ちなみにご注文方法は「ペニンシュラ型・オープン型・Ⅱ型・セパレート型・マシマシ…」とか某ラーメン屋さんみたいな感じじゃなくて大丈夫です。

間取りプラン等やお打ち合わせの中で一つづつお聞きしていき、システムキッチンのプランが決まったらキッチンメーカーさんが予想CGパースを作成してくれますので、それを見ながらお互いに最終確認していければと思います。

キッチンレイアウトの記事は以前一度掲載しましたが、あまりにもさらっとしすぎていたり余計わかりにくいのではと感じたので今回もう少し突っ込んで掲載してみました。

再度もう少し詳しいものを個別のレイアウトごとにメリットやデメリットなどについてもあわせて掲載していきたいと思っています。

気長にお待ちいただけましたら幸いです。