
キッチンのレイアウトって普段あまり考えることはありませんが、いくつか種類があるってご存じでしたか?
キッチンリフォームの時に同じレイアウトで同じサイズのシステムキッチンを設置する場合は考えなくてもよいことなんですが、「違うレイアウトにしたい!」「もっと自分に合うレイアウトってある?」という方に読んでほしい記事になります。
今回は最もポピュラーなI型レイアウトについてお話します。
スタイルとレイアウトってなんだっけ?という方は過去記事に戻ってご確認ください。
キッチンのレイアウトやスタイルについて様々な呼び方があるので、そろそろここで少しまとめておきたいと思います。 レイアウトやスタイルとは「形状」「置き場所」とか「置き方」と言い換えてもいいと思いますが、打ち合わせの時に様々 …
I型レイアウトとは?
「I型レイアウト」とはシンクとコンロ、作業スペースが一列に並んでいるものをいいます。
システムキッチンの基本レイアウトであり最もポピュラーなものと言えるでしょうか?
●壁付 I型
キッチンキャビネット背面が全て壁に接して設置されている状態です。
新築物件などによく記載のある「対面キッチン」というのはI型キッチンを腰高の壁に設置しているものが多く、それもレイアウトとしては厳密にいえば「壁付I型キッチン」という扱いになります。
●対面型(ペニンシュラ型) I型
キッチンキャビネットの側面が壁に接して設置されている状態。
この呼び方で呼ばれるキッチンは、キッチンカウンター(ワークトップ)がキッチン側とダイニング側で一体になっているものを指すことが本来は多いです。
いわゆる対面オープンキッチンと呼ばれる状態ですが、ペニンシュラ型と呼ばれることもあります。
コンロとシンクが並んでいれば、レイアウトとしては「I型キッチン」に含んでよいでしょう。
●アイランド型
一応アイランド型もコンロとシンクが並んでいれば「I型キッチン」のレイアウトと呼んでいいと思います。
とはいえアイランド型はあえて「アイランド型」と別格に呼ばれることの方が多いですかね。
I型キッチンのメリット
I型レイアウトのシステムキッチンのメリットは「省スペースに設置できる」ことと「振り返り動作が少ない」ことでしょう。
キッチンのワークトップ面積と作業する場所の面積のみで考えると比較的省スペースにキッチンが設置できるレイアウトの内の一つです。
またワークトップ中央の作業スペースを挟んでシンクとコンロが配置されており、水を使う時と火を使う時のそれぞれの作業時に同じ方向を向きながら作業ができることが特徴です。
目を離しづらい水や火の設備が完全に見切れることが少ないので、利便性と安全性が確保できることがメリットとなります。
最近ではI型レイアウトのキッチンの場合は向かい側にカウンター収納キャビネットなどを設置して、いわゆる「Ⅱ型キッチン」とか「並行キッチン」と呼ばれる状態のレイアウトに近づけて利用するケースが多いです。
そうすることで水を使う時、火を使う時、食器などの出し入れの時と、それぞれの作業時に「その場所で一度に作業を終えられる」状態になり、移動距離を比較的少なくできることが作業の効率化を生み出します。
シンクとコンロを分離した「Ⅱ型セパレート」の状態だとシンク~コンロ間の振り返り動作が増えるので、一人作業となる場合は、目を離しづらい設備の向きと一度で済ませたい収納の向きを分けることで、さらにI型キッチンのメリットが生きてくると言えます。
I型キッチンのデメリット
家族が多いとキッチンを(特に作業スペースを)大きくしたくなりがちですが、シンクとコンロの距離が大きいいわゆる「間口」の大きいI型キッチンの場合は、作業転換時に「横移動の距離が大きくなる」傾向にあります。
例えば間口「2100㎜」のキッチンと「3000㎜」のキッチンでは、1回の移動で大体1~3歩の歩数の違いがみられます。
キッチンで作業をするときにこの状態が毎回ずっと続きますので、あまり間口の大きなキッチンだとシンク~コンロ間の移動に疲れやすく感じることもあるでしょう。
どんなレイアウトのキッチンでも同じ場所・同じ姿勢ですべてが完結することはあり得ませんが、歩行距離の増加は思いのほか体の負担になるケースが多いです。
リフォームの際に間口のサイズを自由に選択できる状況なら、ご家族の人数やキッチンを利用される方にあわせて大きすぎず小さすぎない間口を選ぶことが大切になります。
まとめ
I型キッチンレイアウトはL型キッチンレイアウトと並んで全てのキッチンレイアウトの基本プランとして存在しています。
またトータルのコストでも壁付I型レイアウトのキッチンが最もお求めやすい価格になるケースが多く、不動の人気No.1の地位を確立しています。
使いやすくてコストも安く、応用範囲も幅広い。
これこそキッチンの王道といってもいいでしょう。