
システムキッチンを選ぶときに活用する基本アイテムは「カタログ」と「ショールーム」になります。
でも普段の生活になかなかなじみのないキッチンのショールームって、いざとなるとどう活用すればいいのかわからないですよね。
そこで今回はシステムキッチンのショールームの活用法についていろいろと書いていきたいと思います。
システムキッチンのショールーム見学の予約
なかなかなじみのないキッチンのショールームですが基本的には誰でも入れます。
何ならただ見てまわるだけなら事前予約をしなくても入館させてくれるショールームもあります。
(近年は新型コロナウィルス感染症対策があるので、ショールームへの事前確認は必須です)
でも、単に漠然と眺めてみるよりも実際にショールームのスタッフさんに案内してもらう方が、より商品についての理解が深まり、自分に必要なオプションなどを判断する材料となるはずです。
ですので、カタログなどである程度具体的にキッチンの方向性が決まっているのであれば、ぜひとも遠慮せずに事前予約をしてショールームを活用してください。
ショールームの利用方法ですが下記の3パターンのうちのいずれかになると思います。
システムキッチンのショールームの使い方
1.施工業者が決まっていて、より具体的なキッチンやプランを検討している場合
あらかじめ施工業者が決まっている場合は、施工業者にショールーム見学の事前予約を依頼し、施工業者の担当者に同行をお願いしましょう。
施工業者さんの「カオ」でショールームの見学予約をしてもらえます。
あなたのご自宅の状況を把握している施工業者が同行することで、一般の方にはわかりにくい技術的な内容もスタッフさんと施工業者との間であらかじめ確認してくれて解決してもらえるはずです。
またキッチンメーカー側からみても施工業者が同行することにより、「見るだけのお客様」ではなく「買ってくれるかもしれない有望なお客様」という認識になり、商品の説明にもより一層熱が入ります。
最終的なプラン見積の作成が必要な場合は、このパターンが最も効率的なショールーム見学の方法となります。
ショールームのスタッフさんがキッチンプランを練り上げてくれ、後日施工業者から実際の工事金額などが提示される流れとなります。
2.施工業者は決まっていないが先に具体的なキッチンやプランを決めたい場合
施工業者が決まっていなくてもショールームでプラン見積を出してもらうことは可能です。
お近くのショールームの場所や連絡先などは各キッチンメーカーのホームページやカタログに記載がありますので、ご自身で事前予約をすればショールームのスタッフさんが案内してくれます。
この場合は専門家等の同行はありませんので、今お使いのキッチンのレイアウトやサイズ(間口や高さ)などは、ある程度ご自身でメモや写真などで記録して、ショールームのスタッフさんに見てもらえるように確認しておいた方が良いでしょう。
サイズアップやキッチンレイアウトの変更を希望される場合は、キッチンが設置される場所やダイニング全体の広さ、入口・窓の位置や大きさ、天井の高さなども事前に採寸して確認しておく必要があります。
ご自宅の電気・水道・ガスなどのインフラ状況等がわからない状態であっても、ショールームのスタッフさんは”暫定の”プラン見積は作成してくれると思います。
その後施工業者を決め工事見積を依頼する際に、ショールームでもらうプラン見積の表紙辺りに記載されている「お客様番号」「見積番号」などの情報を伝えると、施工業者がキッチンメーカーに番号照会することでショールームで選んだキッチンプランの詳細がわかるという流れになっています。
最終的には施工業者に工事見積を出してもらう前に、ショールームで作ってもらったキッチンプランが現場に設置可能なものかどうかを現場確認をしてもらい判断してもらう必要があります。
もし現場を確認してショールームで作ってもらったキッチンプランが実現不可能となった場合は、再度ショールームに行ってキッチンプランの再作成をお願いする必要がでてくるかもしれません。
3.とりあえずどんなキッチンがあるのか見てみたいという場合
この場合はショールームのスタッフさんも付き添わずに自由にキッチンを見てまわることになります。
もしショールームのスタッフさんの手が空いていたりすると、この検討段階でも一通り案内をしてくれるケースもあったりします。
まずはいろいろなキッチンメーカーを一通り見てみたいという方はこのパターンになるかと思います。
キッチンメーカーさんにより色々対応が違ったり、当日のショールームの混雑状況にもよるかと思うのですが、事前連絡がないと入館させてもらえないケースもあるかもしれませんので、できれば直接入館希望のショールームに事前確認をしておいた方が安心かもしれません。
特に土日などは込み合うことが多いようなので、早めに事前確認をした方がよいでしょう。
ショールームでスタッフさんの案内がない場合は基本的にプラン見積等は作成してもらえませんが、具体的にキッチンメーカーや希望のキッチンなどがある程度絞れてくれば、再度施工業者とショールームを訪問してプラン見積の作成を依頼しましょう。
システムキッチンのショールームですること(弊社の場合)
私どもで実施するショールーム見学では一般的に「お客様」「ショールーム担当者」「弊社担当者」の3者が立ち合いの上でシステムキッチンを見てまわることになります。
ほとんどのキッチンリフォームの場合でこのパターンになることが多いです。
この場合それぞれがそれぞれの立場でショールームでキッチンを見ながら行う役割があり、一般的には下記のようになります。
●お客様
カタログで事前にある程度目星をつけていたキッチンや各機器の実物を確認します。
カタログ写真だけではわかりにくいキッチンカウンターの高さや各表面材の質感、キャビネットのサイズ感、引き出し金物の感触などはショールームに展示してある実物で確認するのが一番です。
現場状況やプランとして実施できない内容が出てきた場合はショールーム担当者さんが解決策についてアドバイスしてくれます。
この際にどうしても収納したい調理器具などのサイズがわかっていれば、ショールーム担当者さんと一緒に確認ができたり、使い方にあわせたプランニングをお願いできたりします。
●ショールーム担当者
自社キッチンの強みをアピールしながらお客様の希望する機器やキャビネットプランについて説明してくれます。
キッチンやダイニング等の部屋の雰囲気などがわかれば、デザインテイストのバランス調整やカラーコーディネートまで考えてくれるショールーム担当者さんも多くおられます。
当然ショールーム担当者さんは自社商品については詳しく把握しているため、さまざまな要望に対して対応できるキッチンプランを返答してくれますが、実際にキッチンを設置する現場の状況はご存じないため、この点については技術的なことも含めその場で弊社担当者へその都度確認されることになります。
その後ショールーム担当者さんがキッチンプランとプラン(定価)見積を作成し、お客様と弊社担当者へ提出となります。
●弊社担当者
システムキッチンについて一定程度の知識は備えているものの、日々新しくなっていく各キッチンメーカーの機器や機能について完全に把握できているわけではないため、詳細な商品説明や使い方については展示されている実物に触れながらショールーム担当者さんに説明してもらいます。(横でお客様と共に商品の勉強をします)
ただしご自宅のインフラ状況や家族構成、工事に至る経緯や希望する内容など、キッチンを設置する現場に即したソフト面の情報はショールーム担当者さんよりも弊社担当者の方が把握しているため、都度必要な情報をショールーム担当者さんに伝え技術的な面での相互確認を行ったりします。
ショールームで作成されたキッチンプランとプラン見積が弊社担当者にも渡されますので、それをもとに実際の工事見積などを作成して後日お客様に提出するという流れになります。
まとめ
ショールームを利用したキッチン選びの流れをざっとご説明してきましたがいかがでしたでしょうか?
ショールームの利用の仕方から、お客様とショールームのスタッフさん、そして施工業者とそれぞれの役割について大まかにご理解いただけたかと思います。
「百聞は一見に如かず」ということわざがあるように、せっかく本物のシステムキッチンを確認できる展示場所があるのですからショールームを利用しない手はありません。
システムキッチンは高い買い物ですので工事が終わってから「思っていたのと少し違う」とならないよう、ぜひとも存分にショールームを活用してほしいと思います。
ちなみにシステムキッチンのショールームは、メーカーが同じなら基本的に全国どこのショールームを利用しても問題はありません。
お近くのショールームが一番便利なケースが多いですが、スペースの広い展示数の多いところで色々と見たい場合や、いろんなキッチンメーカーをハシゴしたい場合などは、大きな街中でそれなりにショールームの数が集中しているところが便利だと思います。
(大阪だと大阪駅・大阪梅田駅近辺なんかには、ほとんどのキッチンメーカーのショールームが揃っています。)
一生のうちでシステムキッチンの工事は何度も体験するものではありませんので、この機会にショールーム見学の体験も一緒にしてみてくださいね。